2023年08月04日

2023年 第30週
(令和5年7月24日~令和5年7月30日)

【今週の注目疾患】
■日本紅斑熱
 2023 年第 30 週に県内医療機関から日本紅斑熱の届出が 2 例あり、2023 年の累計は 6 例となった。
6 例の発症時期は、5 月が 3 例、6 月が 2 例、7 月が 1 例であった。
 2012 年~2023 年第 30 週に、県内医療機関から 107 例の日本紅斑熱の届出があった。
過去には死亡例も報告されている 1)。
107 例の患者年齢中央値は 72 歳(範囲 18~96 歳)で、60 代以上が全体の 9 割以上を占めた。
近年、日本紅斑熱の届出数は増加傾向にある。
本疾患は一定の季節性を有しており、例年 5 月以降に報告数が増加し、11 月頃まで報告がみられる。

 107 例の届出票の記載における推定感染地域は、安房保健所管内が 35 例(33%)、夷隅保健所管内が 32 例(30%)、君津保健所管内が 28 例(26%)、市原保健所管内が 8 例(7%)であり、県南部が多かった。
 また、症状・所見(重複あり)は、発熱 99%、発疹 93%、刺し口 80%、肝機能異常 76%、頭痛25%、播種性血管内凝固症候群(DIC)14%であった。

 日本紅斑熱は紅斑熱群リケッチアの一種 Rickettsia japonica を起因病原体とし、病原体を持つマダニに刺咬されることにより感染する。
マダニの生息場所は山林、裏庭、あぜ道、畑等の草の上である。
臨床症状は頭痛、発熱、倦怠感を伴って発症する。
潜伏期間は 2~8 日で、発熱、発疹、刺し口が主要三徴候である。
発疹は体幹部より四肢末端部に比較的強く出現する。
日本紅斑熱をはじめリケッチア症を疑った場合には、実験室診断の結果を待たず、直ちに抗菌薬の投与が勧められる 2)。

 マダニの多くは春から秋にかけて活動が活発になる。
キャンプやハイキング、農作業や草刈り等で山林や草むら等に立ち入る際には、(1)長袖長ズボンなど肌の露出が少ない服装、(2)忌避剤(防虫スプレー)の使用、(3)地面に直接座らずに敷物を使用、(4)帰宅をしたらすぐに着替え・洗濯、(5)帰宅後はすぐに入浴し、体にダニが付いていないか確認、などの対策が重要となる 3)。
 また、刺咬された場合には、無理に引き抜くとマダニの一部が皮膚に残ってしまうことがあるので、医療機関を受診して除去してもらうことが推奨される 3)4)。

■参考・引用
1)千葉県健康福祉部疾病対策課:【日本紅斑熱】感染症予防のための情報提供について(令和 4 年10 月 11 日発表)
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2)国立感染症研究所:日本紅斑熱 1999~2019 年
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3)千葉県衛生研究所:マダニ被害に遭わないために!
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4)千葉県健康福祉部疾病対策課:ダニ媒介感染症について
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【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況】
 2023 年第 30 週の県全体の定点当たり報告数は、前週の 15.36 人から増加し18.36 人であった。
定点把握開始となった 2023 年第 19週以降、県内の定点当たり報告数は継続して増加傾向にある。
県内16保健所中13保健所で定点当たり報告数が前週より増加した。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和5(2023)年8月2日更新)